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バスケット・ケース2の消費者のネタバレレビュー・内容・結末

バスケット・ケース2(1990年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

前作は医師達への復讐の末の兄弟2人の死によって幕を閉じたが実は死んでいなかった!という所から物語は始まる
ドウェインとベリアルの愛憎入り混じった関係と2人を匿うかつて自らも腕が11本ある奇形の子を産んだが亡くなったという女性ルースと彼女を助ける若き美女スーザンの築いた奇形の人々のコミュニティーというのが今作のベースとなる

ベリアル以外に大勢の奇形の人々が出て来たのは画として禍々しく良かったのだが中には奇形ではなくモンスターだろ、という様な者もいたのが少し引っかかった(ガーゴイルとカエル人間の事)
健常者と奇形のどちらがノーマルか?というのを数によってひっくり返したのは映画「フリークス」の様で面白かったからこそあくまで奇形のみを登場させて欲しかった
でなければ彼らは奇形でなく異形という事になってしまい作品自体が差別的な色を帯びてしまうからだ

またドウェインとベリアルの兄弟が犯した殺人によって彼らの存在がゴシップ的に広まりタブロイド誌の記者が好き勝手書いて一稼ぎしようとするのに対抗する、というのも展開としては自然だし分かりやすいがせっかくルース率いる奇形軍団は前述の様に数によってどちらがノーマルかなど簡単に逆転するのだ、と示す頭数以上の役割を果たしておらずカメラマン、探偵、そして記者を殺したのが全てベリアルのみの手による物だったのは勿体なかった気がする
直接的に手を下す事はないにしてもせめて協力くらいはさせるべきだったのではないかと

手術によって体が切り離されていたベリアルをドウェインが自らの手で再び繋いで1つに戻る、というエンディングは結局“ノーマル”になどなれない、という諦めと外の世界、すなわち健常者の世界への憎しみの結果として面白かった
元々は体が切り離された事で自由への渇望を抱いていたのはドウェインの方だったがベリアルがルースのコミュニティで自身と同じ様な存在であるイヴと出会い愛し合った事で立場が逆転したというのがまさにどちらが多数派かで状況は簡単に覆るという今作の主題にぴったりな締め括られ方だったと思う

3も観るつもりだが監督が違う作品を撮る為の交換条件として仕方なく製作された続編という様な話を以前、本で読んだのでヘルレイザーの3の様に駄作と化していないかが心配
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