放課後ラーメンタイム

劇場版∀ガンダム I 地球光の放課後ラーメンタイムのレビュー・感想・評価

劇場版∀ガンダム I 地球光(2001年製作の映画)
3.5
我々ファーストガンダム原理主義者は可哀そうな人たちで、Zガンダムの難解で拷問のような陰々としたストーリーに耐えられず、ZZでアニメじゃないというひどい主題歌を聴かされて心が病んでしまった それ以降長い治療期間を経ても最初のテレビ放送版とそれを再編集した3本の松竹映画以外は体が受け付けない難治の病人だ
そんな不幸な人たちを癒す可能性を持つのが本作だ
 ガンダム世界よりはるか先の未来で、遺跡から発掘されるロボットとか、文明の退行した地球で主導権を握ろうとする月世界人とか、立場を入れ替える外見がそっくりなふたりの王女とか、どこかで見たような設定ではあるがそれを上手く組み合わせてちゃんとした群像劇を作り上げている 登場人物が皆まともで我々の病気を再発させるような、こじらせた精神の登場人物は出てこない(今のところ)
 これはおそらくファーストのメインライターであった星山博之氏が本作で脚本に復帰した影響が大きいのだろう
 ちゃんとしたセリフで群像劇ができあがれば、後は全く無駄がなくかつメリハリの効いた富野演出の独断場である 総集編でストーリーのよく分からないところもあるが十分に面白い
 ただ一つ残念なのはゲームデザイナー出身の安田朗氏によるキャラクターデザインがいまいちで、サングラスが変なのと、サブキャラの造形が余りに鈍臭い点が気になった(レビュワーが時代遅れなだけかもしれないが)
 という訳で、まだ病気から回復できない私のような病人は、後編をみるべきなのかまだ時期尚早なのか今だに決断できないでいる 富野作品のくせに50話くらいあるらしいテレビ版本編は体力不足でまだ見ることは不可能だ
やはり我々は未だリハビリ中の不幸な病人なのだ