うにたべたい

長編怪獣映画 ウルトラマンのうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.8
ウルトラマン劇場版第一作目。
67年4月のウルトラマン放映終了後に劇場公開されています。

本放送第1話、第8話、第26話、第27話のブローアップ版で、4話分のウルトラマンを75分に再編集しています。
削られている箇所はありますが、新しく撮られた映像はなく、基本的には4話をつなぎ合わせたのみとなっています。
ただ、第1話のベムラー回は大幅カットされていて、ベムラー自体は科特隊が倒したような形に変更されているのが特徴ですね。
本放送通り、序盤でハヤタはウルトラマンと一心同体になるのですが、せっかく現れたウルトラマンの活躍は次話へ持ち越しになり、違和感ありまくりでした。
個人的にはウルトラマンの序盤は、尺の関係でとどめを刺す係みたいになっているように思える時もあり、次話でそういう回をもってきて科特隊の功績にするのはありだったのでは、と思わなくもなかったですね。

収録されている4話は、ウルトラマンが登場する1話、怪獣無法地帯の8話と、前後編のゴモラ回と、すべて円谷一監督の作品です。
短縮されたベムラー回は微妙ですが、一応、ウルトラマン登場と、レッドキングやチャンドラー、ピグモンなど怪獣がぞろぞろ登場する怪獣無法地帯、一度ウルトラマンが土に膝をつく結果になったゴモラ回が凝縮されていて、ウルトラマン全話見るのが大変だからとりあえずチョイスするにも良いと思います。
ちなみに、第1話でハヤタ隊員に話しかけるウルトラマンの声が聞けますが、この声は役者ではなく、アフレコ現場にいた編集技師の方が担当してい たりします。
意外に普通に宇宙人っぽい抑揚の乏しい声にも注目ですね。

なお、ウルトラマンの映画はこの後もちょくちょく作られるのですが、どれも本放送から何話か引っ張った形になっています。
今から思うと、最新作のシン・ウルトラマンも3話、9話、18話、33話、39話が元になっているので、その点でも初代ウルトラマンの劇場版をリスペクトしていたのかなあと思ったりしました。