浜一

お葬式の浜一のレビュー・感想・評価

お葬式(1984年製作の映画)
4.0
午前10時の映画祭13にて鑑賞。
初めて観た時はビデオで。スクリーンで観るのは今回が初。
昔、観た時はこんなにもユーモラスな造りと感じていなかった。若かったからか?棺桶の値段や病院の費用。戸惑う主人公夫婦を始めとした人々の様子にクスリと笑ってしまう。読経している間の参列者の足を次々と捉えたシーンも面白い。人生の中で「お葬式」というイベントは欠かせないが、一方でなかなか立ち会わないイベントでもある。ある日、唐突に自分事として向かい合わなければならなくなった人々の悲喜こもごも。
悲しい場面の代表として、故人の妻による挨拶の場面がある。勿論、素晴らしい挨拶ではあるが、他にも本気の悲しみを捉えた場面があると思う。尾藤イサオ扮する故人の甥が通夜の後に残る。(彼は大滝秀治演じる別の叔父が嫌いなのも残った理由ではあるが。)大好きな故人の顔を改めて拝み涙する。そして故人の妻と娘と共に、故人の想い出を明るく笑いながら語り合い、酒を酌み交わし唄い踊る。葬式はただただ悲しく涙を流すだけの物ではない。親類縁者が集って、故人の想い出を語り合いながら明るく笑って過ごしても良い物だと思う。この場面はそんな葬式の一面を描いた良い場面だった。
浜一

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