ずが

お葬式のずがのネタバレレビュー・内容・結末

お葬式(1984年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

数年前に故郷のおじいちゃんが亡くなったのでその時のお葬式の雰囲気が思い起こされました。送る側と送られる側。誰しもが避けて通れないのがお葬式で親族が亡くなった悲しみと親戚が一堂に介する行事でもあるので楽しかったりと感情の起伏が激しいのが不思議な行事だと改めて感じました。先日の葬式で感じたそんな不思議な感覚がこの作品ではリアルに描かれており鑑賞しているこっちも参加者の1人である様に感じました。又、故人の視点からのカメラワークも特徴的で己が故人に重なり自分も多くの親族にに囲まれて送られたいものだとつくづく感じました。葬式って普通に考えたら遺体が同じ部屋にあって触ったり、運んだり、火葬したり異様な風習に感じても今だに続いていて生きていてこんなに死と近い出来事はないと思います。皆んなが好奇心で火葬を裏から見せてもらう時、火葬場職員の精神的にやられてるエピソードを聞いてみんな我に返ってゾッとするのがリアルな反応で先程までコメディチックに鑑賞していたこちらまで我に返ってゾッとする。死との距離感が顕になる瞬間で印象に残るシーンでした。

お葬式という思い雰囲気ばかりの映画ではなく、コメディ的な要素は伊丹十三監督の良いところが出ていたと思います。絶対1人は存在する古風な伝統、風習を重んじる親族が笑いました。言い方悪いけどこういう人がよりによって長生きしてるのが面白い。また、招かざる客で不倫相手が登場したり、それをバレずに無事に葬式を遂行しようとするが葬式である死の裏で性行為をしてしまう。性行為は死とは真逆の生にあたる行為としてそこら辺の監督のこだわりも感じました。
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