あなごちゃん

お葬式のあなごちゃんのレビュー・感想・評価

お葬式(1984年製作の映画)
4.2
他人のお葬式を俯瞰してる気分。
死人を人間としてではなくどこか物として扱っているようなブラックユーモアが面白かった。通夜が宴会場のように盛り上がったり、葬式場の準備完了の際に思わず拍手をしたり、通夜の日に不倫相手といちゃついたり、不謹慎と場違いな言動が相次ぎ、死人を弔うために集まっているはずが死人をそっちのけでどんどんエゴイズムを発露させてしまう、生きてる者の生命力が凄まじかった。生きてると自分のエゴイズムと切り離せされないもんだなぁと思ったり。
最後のおばあちゃんのスピーチを聞くと、どんなエゴイズムも不条理も死んでしまえばそれさえ懐かしくなるのかなぁとしんみり。