Siesta

都会のアリスのSiestaのネタバレレビュー・内容・結末

都会のアリス(1973年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ヴィムヴェンダース初期の代表的作品 旅行記が書けずにスランプに陥るフィリップと少女アリスの不思議なロードムービー ドイツの空港がストライキでストップし、オランダへ向かうこととなるが、そこで出会うアリスとその母 しかし、母は立ち去り約束の場所に現れない 元恋人との関係がまたしても拗れたよう そこで不意にフィリップとアリスの擬似親子のようなややもすればちょっぴり恋人のようでもある他人同士で、アリスの家族を探していく しかし、2人は他人ではあるが、社会的に疎外されてしまった者同士であり、互いを支え合うしかない 関係のない2人が不意に旅をすることとなり、家族を探しにいくというあたりは「菊次郎の夏」を想起する また、最近観たということもあるが、「アフターサン」の親子とも重なる モノクロでクリエイターが擬似親子関係からある種の救済を受ける展開は「カモンカモン」とも重なる そして、擬似親子モノの元祖ともいえる「キッド」 また、同世代の盟友ジャームッシュの「パーマネントバケーション」や「ストレンジャーザンパラダイス」とも重なるような無軌道な若者とその空虚というテーマ性も感じた ゴダールのようなヌーヴェルバーグ的な匂いもする
母が訪れずに泣き出してしまうアリス、順番にドイツの都市名を挙げて、祖母の家を探すフィリップ 車内で彼にもたれかかるアリスが可愛らしい それと、アリス役の子いくつなんだろう? 普通にトップレスだけど、いいのかね? 今だったら絶対にないだろうな 彼の写真に対しての「空っぽ」という指摘は最もストレートかつ的確であり、彼は彼女が信頼できることを確信する また、ラストでの2人の列車からの外を眺めるシーン 駅で切符を渡し、共に帰ることを切望する 2人だけが小窓から映り、それをどんどんと引いて列車、山の風景へと拡大していく このまるで2人だけの世界のような余韻が格別 あと、最初ラストシーンをアリスとフィリップでこっそり逃げ出したのかと思った
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