このレビューはネタバレを含みます
ヴェンダースの都会の孤独なアリス
ドイツ作品。1972年、脚本、監督ヴィムヴェンダース。
えーずーっと半年、ホラーとロマポルを見ていたので、久々に欧州映画が見たいという衝動にかられ、前から見たいリストにノミネート。
ドイツから飛び出したロードムービーの走者から今や音楽映画の情熱的なアプローチから今や無国籍な映画を撮り続けている
ヴィムヴェンダース監督。
はじめは完全兄貴の影響であります。ダビングされた「パリテキサス」「ベルリン天使の詩」からが、導入部。
本当にとっつきにくい
娯楽は無い
退屈な瞬間の連続
のような
ヴェンダース映画ですが、
わかりやすい映画ばかり見てくるとたまーに
見たくなる心象風景映画のヴィムヴェンダース。
ヴィムヴェンダース映画は、一本みて
あわないと思った方は一生見ない方がいいと思うくらいある意味軽い忍耐が必要だと思いますね、正直。
日活DVDにて鑑賞しました。
物語はさえない物書きドイツ人の男。ひょんなきっかけからニューヨークからアリスという名の少女を連れてロードムービーする物語。
アリスがまあ
かわいい
憎い
退屈そう
冷たそう
そんな表情が見れます。
見ていて個人的になんか自分が若い頃を思い出したんですよね。
まだ時間を持て余していて
やることなくて
不満を持って金はない
みたいな若い頃の心象を主人公の見る風景に
次第に
自分自身も思い出してしまいましたね。
暗いんです。とにかく本作の
ダークな時間の持て余し方
が漂っています。
アリスは常に不満そう。
ぶっちょうずらで笑顔のエの字も魅せてくれません。
なんでラスト付近の少しだけほっこりするヴィムヴェンダースの風景の素晴らしさが
まさしくヴェンダースのロードムービーの持ち味であり
彼の作風であるよなぁと改めて感じ直しました。
またヴェンダースロード風景も必見!
よく出るヴェンダースアイテム必見!
列車
飛行機
車
モーテル
テレビ
風景
カフェ
粒子の荒い白黒画像も必見!
あとアレッ!と思ったんですが、幾つかロックが流れます。詳しくないんで省きますが、
チャックベリー
が素晴らしい存在感を持って本作の孤独なフィルムに音を刻んでいました。かっこいいというか存在していた感じに見えましたね。そうおもわせる力があります。その後チャックベリーのCD購入しました。
ヴィムもジュークボックス近くでちょいと出演してるのは、鑑賞後文献読んでわかりました。
アリスの可愛げの無い子どもっぷりもスゴいなぁ。
かわいい、元気、愛嬌あるとは真逆の子どもの姿
本作を見て都会のアリスというか
都会の自分
都会の中の田舎もんの自分をなぜが思いながらロードムービーしたヴィム体験でしたぁ。
さて
ヴィムヴェンダースが魅せる
都会中の孤独な2人
都会のアリス
ぜひ旅してみませんか?
追記
調べるとヴィムヴェンダース、28の時の映画なんですね。
確かにある意味若い感じがあるんだけど、大人な感じと時間を持て余す感じが素晴らしいですね。
娯楽や起承転結よりも、ていうか無視してますよね。
毎日旅しながら撮ってたんじゃないのかなぁ。.