Kota

都会のアリスのKotaのレビュー・感想・評価

都会のアリス(1973年製作の映画)
3.4
“夢なんてものは存在しない。あるものにして。”

ヴィム・ヴェンダース監督初鑑賞。31歳の放浪者と、母親が蒸発した9歳の少女二人の奇妙なロードトリップ。ニューヨークからドイツまで、モノクロの画面からなんとなく優しさとか可笑しさが染み渡る一本。

印象的なのは飛行機に乗ってから降りるまでのシークエンスの長さ。普通の映画だったら飛行機が飛ぶショットを写してもう次のカットでは目的地だけど、これは空港の待ち時間、飛行機の中の気怠さ、降りた後の時差ボケなどをリアルに表現していて面白かった。あと、アイスを食べているお店でジュークボックスの隣で永遠に鼻歌歌ってる子が可愛すぎ(笑)

“バッファロー66”や“ペーパームーン”などの大好きな映画に似ているからそりゃ良いんだけど、大好きな映画に似てるからこそどうしても比較してしまってあっちの方がいいなーってなってしまう。でも尚、昼下がりにゆったり見る映画としてとても良かった。
Kota

Kota