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豹(ジャガー)は走ったのShinMakitaのレビュー・感想・評価

豹(ジャガー)は走った(1970年製作の映画)
3.5
東南アジアの小国・南ネシアで政変が起き、大統領ジャカールが国外脱出した。亡命先はアメリカだが、米国が大々的に支援していることが知られないようまず日本に滞在し、その上で米国大使館に駆け込む算段になっていた。
ジャカール来日の朝。警視庁警部・戸田は、警察官の身分を解かれ特殊任務を命じられる。赤坂のホテル・ニューオークスにジャカールが滞在する3日間のあいだ、暗殺者を先制攻撃する〈始末屋〉になれというのだ。たとえ暗殺者でも、発砲前に射殺するのは違法だ。そのため戸田は退職という形になったのだ。

南ネシアの革命政府は、ジャカールが亡命政権を樹立することを恐れて刺客を送り込む。が、戸田の活躍で失敗が続いていた。そんな中、南ネシアの革命政府とのビジネスを成功させたい日本企業「大日本貿易」が、凄腕の狙撃手を呼び寄せた。〈黒豹〉と呼ばれる日本人・九条だ。ホテルの下見中に狙撃手の影を感じ取った戸田だったが、その正体も狙撃手段も見当がつかない…




「豹は走った」


田宮二郎 VS 加山雄三。
格好良すぎるスター2人が対決…
もうそれだけで、どんなクズな映画でも満足できるはずなんだが、観てみたら驚愕。あらゆる点で想像の上をいく出来なんですよね。

西村監督拘りのJAZZYな劇伴、ダイナミックな空撮とアクション。マニアックなGUN描写と現代ではおよそ無理なロケーション。そして定石を外さないハードボイルドなプロット。どこを取っても悪いところがありません。脇の加賀まりこも高橋長英も良かったし、この映画、欠点があるなら教えてくださいよってくらい、俺には完璧に見えます。ラストの苦味も含めて、最初から最後まで大満足の一本。ニューオータニも懐かしいけど、靖国のシーンがまぁ、暁星OBとしては「ここで撮ったのか!」と解るのが楽しかった。傑作。
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