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豹(ジャガー)は走ったの一のレビュー・感想・評価

豹(ジャガー)は走った(1970年製作の映画)
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冒頭いきなり何故か知らないがスイス娘を泣かせているニクい男・田宮二郎。中村伸郎の努力100%カタカナ英語とは打って変わって流暢なイングリッシュでアメリカ娘を落とす自称"狼"。でも他称は"黒豹"。残念。目の前でヘリが墜落炎上してもそんなに動じない肝の据わった南ネシアの大統領暗殺を巡って相対する加山雄三とのバトルは延長戦へ。誰よりも麗しい加賀まりこが「男っていいわね…」と口漏らす熱い展開だが、ベトナムで死んだ恋人を想う例のアメリカ娘と田宮とのロマンスが挟まることでBL的見立てが弱まってしまうので惜しい。正直あそこで殺し合わずとも僕の心の中の腐女子的には全然抜けるシチュエーションだが、それでも戦いを選ぶ二人ってのもそれはそれでイイ。ここでのスローモーションの多用と過剰に噴き出す血はもろにペキンパー印だけどやはりペキンパーには到底及ばないモサさなのもすごく惜しい。道路貸し切ったり、靖国神社で撮ったり、気合入ったロケ撮影はかなり贅沢で見応えあり。黒沢年男のカメオ出演なんなんだ~。
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