「アンジェイ・ワイダのナチスもの」と聞くとつい構えてしまうが、80年代の作品で製作にフランスが絡んでいるからなのか、ヌーヴェルヴァーグ調の淡々とした展開。焦点は「戦中の女たち」に当てられており、濡れ場や意地悪場面には、イキイキとした生命力も溢れる。
ナチキャラの暴虐場面はほとんどなく、むしろコメディ演出が与えられていた。
本編中では過去と現在が交錯するが、現代の場面には叙情とシニシズムが入り乱れており、良い息抜きとなる。このへんの構成力はさすが。
音楽はルグラン。ポーランド語以外は全編フランス語で進むのにやや違和感を憶えたが、ドイツ語版が存在するのかも。