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いのちの戦場 -アルジェリア1959-のmyonsuのレビュー・感想・評価

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原題は『親しい敵』。
1954年から1962年まで続いた、アルジェリア独立戦争のアルジェリアでの戦いを写す。コロン(植民地に入った人たち)と先住民族の中の親仏派と反仏派、独立を認めない一部の仏軍部、と認めないと…と気付いている仏政府。複雑な対立構造の、泥沼で戦争のことを知らないと全く理解も出来ないし、ついていくことすら困難な戦争の話。企画と主演をつとめた、ブノワ・マジメルは「アメリカがベトナム戦争の悲惨さを描いた。フランスのアルジェリア戦争の悲惨さを描かなければならない」と述べる。

兵士たちが笑っていたり、お酒をのんで騒いでいるシーンだけでも心が痛い。その小屋の近くでは大量虐殺や拷問が行われていると言うのが伝わってくるから。
ただ、そんな激しい戦争の背景には不変のアルジェリアの美しい絶壁(アルジェリアで撮影されたのかな?)と広い空が広がっている。

人間も、主人公の最後の笑顔も全てちっぽけだ。
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