オノタカノフ

ダーティハリー3のオノタカノフのレビュー・感想・評価

ダーティハリー3(1976年製作の映画)
3.0
三作目にしてだいぶ失速した感じ。

革命を看板にしてはいるがその実単なる金目当てのテロリストを、役に立たなそうな新人女性刑事を相棒に、例の如く邪魔にしかならない上層部の妨害をかいくぐって、ハリーがやっつけます。

犯人どもは、最初のヒッチハイカーお姉さん以外は魅力なし。一作目の犯人のような、見る者をムカつかせる強烈な存在感も、二作目の犯人のような、下手するとこちらが納得させられそうな三分の理も持ち合わせず。犯行の手口も鮮やかとは到底言い難く、最後の撃ち合いもハラハラさせられない。

女性刑事は、バズーカの試射で危うく死にかけるところをハリーに助けてもらうが、それ以外ではドジを踏んでハリーの足を引っ張るようなことはなく、とは言え、持ち前の特技で事件解決に決定的な貢献をしたというわけでもない。ああ、ハリーのこれまでの相棒もそんな感じだったか。最初のハリーの圧迫面接も、見ている方は彼女に肩入れしてやりたくなるが、ウチは男女平等やってますよと言うだけのために現場未経験の女性を殺人課刑事に採用しようとする上層部の方針にハリーが苛ついただけなので、ハリーを責める気も起こらない。

上層部は、ハリーを殺人課から外したりもするが、すぐ戻しちゃうので、今回は実はあまり邪魔な存在ではなかった。ムスターファを逮捕したのは、ハリーにとっては妨害以外の何物でもなかったが。でも、感謝状をもらいに市長のところまで足を運んだんだから、ハリーもそう文句は言えまいに。

というわけで、何人もの犠牲者を出しながらも、事件はスムーズに解決。現実の話ならめでたしめでたしだが、フィクションなので、何か物足りない。

ムスターファに「どこかで会ったっけ?」と言うところはクスッとしてしまった。一作目の銀行強盗だよな、と思って調べたら、二作目で羽ぶり良さそうなポン引きもやってた人だった。
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