半兵衛

ダーティハリー3の半兵衛のレビュー・感想・評価

ダーティハリー3(1976年製作の映画)
3.0
シリーズものの宿命とはいえ、怒りで行動するはずのハリーも大分丸くなってしまったしお話もパターンをなぞっているだけに。そもそも肝心の犯人が小物なのでハリーの心を突き動かさないのが痛いし、相棒となる新人女性刑事も大して活躍しないまま出番を終える(一応一作目の新人のパターンを踏襲しているけれど)のが致命的。

でも犯人を追跡している途中でポルノ撮影の現場に乱入したり、ハリーとダーティハリーシリーズ常連のアルバート・ポップウェル演じる裏社会の人間との食えない者同士の軽妙なやりとりなどコミカルな描写は結構好きだったりする。ただ笑いの部分が冴えているだけにシリアスなお話が締まらないことが余計に目立つ羽目に。

本作はシリーズのなかで唯一ラロ・シフリンが音楽担当ではないが、そのせいかどこか雰囲気が普通の刑事ものみたいなサウンドになっている。

あと屋上での追跡やバズーカ砲の使い方といい渡哲也主演のドラマ『大都会』シリーズに結構影響を与えていることに気づかされる。
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