くわまんG

スモール・ソルジャーズのくわまんGのレビュー・感想・評価

スモール・ソルジャーズ(1998年製作の映画)
5.0
あらすじ:目に見えなくても、あるものはあるんだよ。風とか、信念とか。

反抗期の負け組非行少年と、やられ役の惨めなおもちゃ達が、力を合わせて互いの勝利を手にする!…という爆笑あり暴力あり感動ありの傑作ボンクラファンタジー。

世の汚濁を無視して上澄みだけを見せてくるピクサーのままごとに(面白いと感じても)耐えられない、こじらせアングラ民のための真・トイストーリー。

監督は、クズの宿り木ジョー・ダンテ。うつむいてツバ吐いて中指おっ立てるしかできない負け犬に、屈託ない笑顔を取り戻す、永遠の若大将ジョー・ダンテです。

故に、行儀のいいアドベンチャーなんて無し。代わりに開催されるのは、良い子ちゃんどもトラウマ間違いなしの、偏差値最低な魔改造玩具たちによるインモラル局部破壊祭。

主人公ゴーゴナイトの闇もガチ。生まれてきた理由が「多数派に凌辱の末殺されるため」で、助けはおろか同情さえも得られず、死んだら喜ばれる…ゲットーの悪ガキでさえ自害検討レベルの背景です。

ですが、やがて負け犬達は学びます。大切なものは目に見えないことを。友や伴侶や家族のためなら、命を捧げられることを。その想いが伝播することを。

そして、ジョー・ダンテは知っています。現実のどんな負け犬も、諦めなければゴーゴンにたどり着けるのだということを。