ダイナ

スモール・ソルジャーズのダイナのレビュー・感想・評価

スモール・ソルジャーズ(1998年製作の映画)
4.6
細かい所とか気にならないくらい滅茶苦茶面白かった!玩具メーカーの不手際により軍事用チップが採用された人形が出荷されてしまい、玩具屋の息子アランを中心として人形達の戦争が勃発するというアクションあり・ラブコメちょっとあり・スリラー盛りだくさんにありのボーイミーツトイズ(ついでにガール)な1998公開アメリカ映画です。

キャラの魅力と展開のテンポの良さが本作の面白さを引き出しています。
玩具の人形が元プログラムに若干則りながらも意思を持って動き回る、という何とも微妙にトイストーリー的なお話なわけですが、その動きが工夫されてまして。実際の人形を使うことでリアル感を強く感じ、時たまCGを使うことでその人形に現実的でない動き(素早く回転したりぶっ飛んだり、どことなくジム・キャリーのマスク感)をさせて、人形単体のポテンシャルみたいなのが面白く表現されているんですね。これがいい塩梅で構成されていて、CGが浮かない感じに錯覚させられます。人形達の生き物っぽさで映画に没入させてもらえました。

それと味方キャラがすごい可愛いんですわな!人形同士の戦争なわけですが、「コマンドーエリート」と「ゴーゴナイト」という二つのグループに別れています。コマンドーの方は人間型の人形で軍隊モデルのコワモテおっさん顔、かたやゴーゴナイトはモンスター型で獣人や目玉と足だけの生物などなどで構成されています。主人公アラン側の人形達がゴーゴナイトになるわけですが、こいつらが優しい性格、悪くいうと臆病な性格で造られていてコミカルで、おどおどしていて、新しく見るものに新鮮な反応見せるところが最高にキュート。

また敵の魅力が本作を最大に盛り上げてる部分があります。それは「過激さ」です。コマンドー部隊達、一応仲間思い、市民はなるべく傷つけないというプログラム設定がされているわけですが、敵と認識しているゴーゴナイト、それに味方する者には容赦しません。回転歯車やナイフ、釘、火炎放射器等で攻撃してきます。「それもう数センチずれてたら人間死ぬよ?」ってレベルの攻撃を仕掛けてくるわけです。実際その攻撃で出血描写があったりします。その過激さがスリラー感に拍車をかけていてワクワクします。特に本作ヒロインであるクリスティがピンチになる場面、これ子供見たら絶対トラウマなるぞ!!!ってレベルのホラー感あるシーンは最高すぎる!ロボコップみたいに全年齢向けっぽいビジュアルしといて子供達にトラウマ植え付けようとしてないか?最高だ!

ストーリー展開について、上記の通り敵の攻撃が一線超えちゃって過激なわけで、ゴーゴナイト側がピンチになりまくって面白いです。それをどう切り抜けるかという所、またゴーゴナイト勢もピンチを切り抜けていく上でコマンドー部隊に立ち向かっていって、かと思ったらコマンドー部隊も新しい奇策を・・・っていう防戦一方でないシーソーゲーム感。インフレしていく戦況がとても面白い!

すごい楽しませてもらいましたが、少しだけ言いたい事がありまして。10分なんて言いません。あと5分、せめて3分ぐらいでいいんで味方側の見所を足して欲しかった感じはありました。全体的に見ると敵サイドの方が目立っていた感じ、まあそれが最高のスリラー感を演出してくれていた所でもあるんですが。姑の如くめざとーく見ると「いやおかしくね?」ってツッコミは少し、いやかなりあるんですが(笑)、それをかき消すぐらい楽しませてもらいました!
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