するとら

モロッコのするとらのネタバレレビュー・内容・結末

モロッコ(1930年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

日本で初めて字幕がついたトーキー映画映画としても有名な本作
兵士に恋するショーガールとそんなショーガールに求婚する金持ち男の三角関係を描いたラブロマンス

遊び人だが本気になった相手には自ら手を引くという消極的な内面を持ち合わせた兵士
好きなのに自分からは行かず相手の反応を伺う主人公
この二人の駆け引きがもどかしい

そんな主人公を健気に想う金持ちのベシエールの究極の愛情表現がなんとも理想的で女性ならベシエールを選べばいいのにと思わざるを得ないだろう、、、
金持ちならではの余裕 他の人を想う主人公を決して咎めず感情的にもならず
結婚式で恥をかかされても愛した相手の幸せを願う
それもこれも全部彼女を愛してるから
ベシエールの切実な彼女への想いに思わず報われてほしいと願ってしまう

ラスト兵士の元へ去っていく彼女の後ろ姿をみて何を思ったのだろう‥

主人公がそんな絶対の幸せが約束されているベシエールよりも遊び人である兵士を選んだのも共感できるひとも多いだろうとおもう
安心させてくれる人よりも手に入りそうで入らない自分を翻弄し不安定にさせる誰かに夢中になってしまう
若さ故でもありその時はこれこそ愛だと信じてやまない
先のことなんかお構いなしに理性なんて飛ぶほど夢中にさせてくれる兵士を最後に主人公は選んだ

男女の駆け引きや特有の恋愛観 100年近くも前に作られた映画にも共感できるものがあるんだと親近感を感じた

うーーんでもやっぱりベシエールを選べばよかったのに‥
するとら

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