囚人13号

モロッコの囚人13号のレビュー・感想・評価

モロッコ(1930年製作の映画)
3.6
別段美女でもないディートリッヒに男装させ、徹底した「脚」への執着から官能性を付与するスタンバーグは只者じゃないと、大した話じゃないのにこの一本で分かる。
嘆きの天使から上海特急までキャメラが彼女に恋してるというか、ソフトフォーカスと強いキーライトの画面設計はサイレント時代から全く変わらない強度。

淀川長治が指摘していたラストカットの矛盾(モロッコの熱砂を裸足で耐えられるわけがない)もまた脚を強調しつつ、脚本軽視・演出の人スタンバーグらしい。
囚人13号

囚人13号