桃子

モロッコの桃子のレビュー・感想・評価

モロッコ(1930年製作の映画)
5.0
「圧巻のラストシーン」

最近ハマっているのがマレーネ・ディートリヒである。1本見ると、次から次へと彼女が出ている映画を見たくなる。理由はわからない。不思議な女優さんである。
最初はまさかハマるとは思っていなかった。どちらかというと、とっつきにくい印象だ。細いアーチ型の眉毛は独特で、つんとすました時の表情はちょっと怖いとも思える。でも、にこっと笑った時の顔はなんとも言えず可愛いし魅力的だ。つまり、ギャップがあるっていうことかなあ。ギャップ萌えでマレーネに夢中になってしまったのかもしれない(^_^;)
この映画は、日本で最初に字幕がついた映画だという。それまでは弁士のいるサイレント映画だったのだ。弁士と言えば、何年か前に弁士がしゃべってくれるサイレント映画を見たことがあった。あれはあれで新鮮で楽しかった。また機会があれば行ってみたい。
ものすごく有名な映画だけれど、たぶん(笑)初見である。見たことがないのに、マレーネが男装して歌って客席を回ってリンゴを配るというのは知っていた。何かのレビューか何かで読んだのかなあ。
なんだか久しぶりに「本物の恋愛映画を見た!!!」という感じがした。切なくて苦しくて燃えるような想い。そして男女の機微。マレーネも素敵だけれど、若き日のゲイリー・クーパーのイケメンぶりと不良っぽいカッコよさ、セクシーさ加減がもうタマラナイ。
この映画はラストシーンが一番有名なのだそうだ。それを知らずに見たのだけれど、実際、唸ってしまうくらいの圧倒的なラストシーンである。見てない人にはネタバレになるので言いません。このシーンのために映画を作ったのではないの?と思ってしまうくらいの圧巻ラストシーン!!!これぞ恋愛の真骨頂と言えるのではないだろうか。こういう映画を見ると、やっぱり恋愛ものもいいなあと痛感する。血がドバーと出まくるホラーとか、コワイ人間が出てくるサスペンスとかばっかり見ていたら、素敵なロマンス映画のことを忘れてしまう。ホラーに比べたら刺激が少ないから。でも、刺激だけを求めて映画を見るのはNGなんだなあと反省した。
これも文句なしの満点映画です。
桃子

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