【大人になったら決めろ】
芥川龍之介の原作が元となっている作品。
台湾人の父親と日本人の母親の間に生まれた兄弟2人。大好きな父親であったが、亡くなってしまい台湾に遺骨を持っていくのだが…。
全く違う環境に溶け込むのは難しさもあるが、あのくらいの年齢の子供は慣れるのが非常に早い。彼らが台湾で経験する全ての物事は、自分達が住んでいた日本のことをよく知るきっかけにもなる。戦争が残したモノを静かに触れながら、父親が亡くなってから変わった母親との関係を主軸に描くのが巧妙であった。
日本語を使い、日本名を名乗り、日本統治時代に作られた輸送用のトロッコを利用する。日本の為に戦った太平洋戦争が残したモノが今でも残っているのは、日本人にとって複雑な気持ちになる。常にどこかの支配下にいた台湾。自国独自で形成される事のなかった国は、日本統治時代の発展があっただけで、今も日本を慕ってくれている。
そのどちらの血も持っている兄弟2人。
日本の良さも台湾の良さも、両方吸収して欲しいという願い。
決して説教臭くなく、真摯に歴史と向き合うこの映画を私はオススメする。