三隅炎雄

着流し百人の三隅炎雄のレビュー・感想・評価

着流し百人(1972年製作の映画)
3.7
鶴田浩二が老侠客水島道太郎に請われて金沢まで同行することになり、途中で出会った奇妙なやくざ者たちとチームを結成、目的地金沢で水島のために清水次郎長一家的大暴れをする。
パロディ的な軽い内容の作品で、松浦健朗の脚本は適当極まりないが、その適当がここでは意外に賑やかな出演陣の顔ぶれもあって、プログラム・ピクチャーらしいおおらかな楽しさとして成立している。
若山富三郎は『極悪坊主』、川地民夫は『まむしの兄弟』そのままのキャラクター、丹波哲郎・北島三郎・南利明も任侠物でおなじみの自己イメージをなぞるようにして大いに活躍する。森秋子が演じる女侠客パートは火野葦平『花と竜』と山下耕作のもじり。最後まで見ても何で百人なのかさっぱりわからないけれど、鶴田チームのちょっとしたオフザケ映画として気楽に楽しみたい。

[追記]小沢の本を読むと、これは脚本がつまらないし撮りたくなかった、映画の出来も悪かったと言っているな。
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