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Q&AのRのレビュー・感想・評価

Q&A(1990年製作の映画)
4.1
主人公の新米地方検事補が警察官による犯人射殺事件を担当することになって、ものすごく簡単な正当防衛の事件やからすぐ終わるよと言われていたんやけど、この警察官が実はとんでもない悪党なんじゃないか?と思わせる証言が上がったために、そいつを追い詰めて告発しようとする。が、だんだんと、実はもっと大きなレベルでの汚職問題が関わってることが分かり、最終的には正義と不正義の非常に大きな戦いに発展していく。更に、その取り調べの中で、ある証人の内縁の妻が、主人公の元カノであることが分かり、それに苦悩する様子も描かれる。で、作品全体に、アメリカの抱える移民問題、人種差別問題、LGBTの苦悩などもあぶり出していく。さすがゴリゴリ社会派のルメット監督やけど、もっと古いのに比べると、作品のハードさやキレは若干落ちるかなーと思った。確かに面白くはあるんやけど、後にならないと画面に映ってるのが誰なのか、とか、何がどう起こってるのか、とかわかりにくい展開がいくつかあって、後になるとあーなるほどてなるんやけど、見てる間はちゃんと頭に入って来ないからちょい退屈に思えるシーンがいくつかあった。が、私が馬鹿なのかも知れぬ。迫力あるヴァイオレントな悪漢をニックノルティがイヤーな感じ丸出しで演じてるのが面白くて、ほんまにこんな人なんじゃないか?ってくらいリアリティがある。こういう自認できないゲイって結構たくさん存在するらしいね。男子の顔触りすぎやわこの人笑。で、主人公のティモシーハットン、この人は本作のような存在感の薄いしみったれた役がホントによく似合う。かわいそうなくらい。運命の女に関しては、ただただヘアスタイルが異様に気になった笑 さすが80sの名残り。あと映画のノリに逆らうようなノリノリなリフの曲が何度も流れるんやけど、個人的にはあの不釣り合いさは結構好き。総じて、何となくバランス感のよくない、武骨な感じが漂ってるし、地味で緩急もないけど、最後までどーなっていくのか気になる展開やったのは良かった。内容をちゃんと把握した上でもう一度見てみたい。
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