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牡牛座 レーニンの肖像
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『牡牛座 レーニンの肖像』に投稿された感想・評価

horahuki

horahukiの感想・評価

4.2
記録です。

こんなウルっと来るとは思わなかった…。政治的な主題だったら知識不足でキツいなと思っていたけれど、レーニンを題材にしつつも普遍的な「死に向かう人」を本作は主題としており、仕事・役割・理念・理想・家族等々、自身の生を構成してきた支柱全てから切り離されていく非人化とも言える感覚と、その先に見えてくる「空」に本来性、そして頽落や疎外を削げ落とした生の人間化を見た気がした。

本作では死を前にしているのはタイトル通りレーニン。彼が療養している霧に包まれた邸宅がどこか非現実味を帯びているのは『モレク神』と同様だが、あちらとは異なりすぐに画面はレーニンを捉える。その後も長回しはレーニンを捉え続けるが、彼中心に物事は回っているにも関わらず、主役は画面中央に陣取らずにどこか世界の中に埋没するかのよう。歩くこともままならず認知症も進み、看病する者たちの態度にもレーニンの求心力故の奉仕ではなく、(嫌々とはいかないまでも)どこか義務的というか課せられた仕事としての性格を強く感じる。彼が口にする理念はこの場では悲しくも頽落的に映り、認知症により忘れゆくこともまたそれを後押しし本来性を際立たせる装置としての役割を果たす。家族も仲間も去り、過去や未来からも切り離され、思い出も希望も忘れ、ただ現在のみを漂う。死の先駆、そして帰属先を無くした彼だからこそ見えてきた「空」。その混じり気のない直接性故に雲が晴れるわけで、非常にサルトル的だと感じた。

そうであるならば、雲海のような非人間的空間を舞台にしていた『モレク神』に対して、緑に囲まれた場所を舞台としたことにも意図を見出せる。対面する木々との対称と対比、レーニンを題材としつつも描かれるのは普遍であって、それを還元するためのレーニンという素材選択は覚束ない知識故に判断し難いけれど、振り幅の大きさが還元の振り幅も増大させているのは間違いなく、だからこそ響いたんだろうなって思った。
フィルムに焼き付いた光に重要性が孕む本作がDCPではなく、どこか生々しくも回顧趣味を感じる35mmという形式で上映されたことに深く感動した。

権力者の身体的衰退を残酷に捉え続けるカメラ、日光と自然照明がフィルムの感光を慫慂しつつ森林公園/庭/屋内/部屋を往来しながら時空が暴力的に飛躍する。
画面が不健康なまでに緑がかる瞬間は心理作用によって安堵を齎すはずの色がグロテスクに過激化し、しかし不自由の中でただ死を待つ男が静謐でしかない大自然に囲まれる瞬間のシニスムは正しく光景の不一致から成り、また時間感覚が狂っていく。

そして自分を見ている傍観者たち=常に気にかけている者≒支持者が完全に画面から姿を消しレーニンが完全に一人取り残されたとき、もはや彼の声は虫の羽音/家畜の鳴き声と同等の価値へ堕落し、力を失った権力者に残された唯一の権利こそが"死"なのである。
菩薩

菩薩の感想・評価

3.8
自らを待ち受ける無慈悲な死に対して、あまりに無力なかつての権力者、そこにもはや力はなく、権利もなく、残されているのは死への絶望のみである。栄光ある死も、名誉ある死も用意されてはいないが、しかし彼の遺体が今も仰々しく強さの象徴として祀られているのだと思うと、これほど憐れに思える事はない。死すらも救いなのか、それとも死こそが。他人を殺せぬものは自ら自分を殺さねばならぬ、となると、自らを殺せぬ者は他人に殺されなければならぬのか。大いなる男の、あまりにちっぽけな、語るべき事すらない晩年期。

『牡牛座 レーニンの肖像』に似ている作品

ヒトラー 〜最期の12日間〜

上映日:

2005年07月09日

製作国:

上映時間:

155分

ジャンル:

配給:

  • ギャガ
3.6

あらすじ

1945年4月20日、ベルリン。第二次大戦は佳境を迎え、迫りくるソ連軍の砲火を避けるためヒトラーは身内や側近とともに首相官邸の地下要塞に潜っていた。誰もが敗戦を覚悟する中、冷静さを失い狂人…

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