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早乙女家の娘たちのmitakosamaのネタバレレビュー・内容・結末

早乙女家の娘たち(1962年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

スカパーにて。中々面白い。

早乙女家は両親はなく、4姉妹に中学生の弟一人。
長女初子は結婚して家を出てる。松子を心配して末っ子を引き取る。
内職で家を守る松子(香川京子)。自分で何でも背負っちゃう。
タイピストとして街に働きに出てる梅子(白川由美)。恋愛に夢中。
保母さんをしてる竹子。弟と仲がいい。

これに多感な中学生、鶴亀と書いてツルキ。不良が周りにいて迷惑して、反抗期気味。この子を巡る4姉妹の対応の物語。

劇中で、不良がネリカンと呼ばれてる。練馬鑑別所上がりのことを言うのだそうな。

面白いのが、早乙女家の背後にそびえるガスタンク。竹子の保育園からもガスタンクが見える。
戦後の朴訥な家庭と、ガスタンクという産業の発展をイメージさせるモチーフとの比較とわかる。

四姉妹の性格分けが絶妙だが、四女竹子がいい性格だなぁ。中学生相手にオラオラで対応するのが可愛い。

梅子の恋愛相手に佐原健二。ツルキの学校の先生に小林桂樹。脇を固める俳優陣も良い。

中学生のちょっとイキった態度が凄いリアル。例えば朝なかなか起きないで布団から引っ張り出すと前屈みでオシッコ漏れると駆け出すシーン。あれ朝勃ちだよな。女所帯に一人男の苦労が分かる。

姉には強く言える内弁慶な所も如何にも。

松子がだいぶ甘やかし気味でもあるが、誠意を持って対応して不良の道を閉ざさせたのは良かったね。

ツルキの問題が解決し、梅子が嫁入りし家を出て、教師が下宿入りするという終わり方。先生と松子の関係も匂わせ爽やかに幕締め。清涼感のあるラストが美しい。
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