Hiro

父子鷹のHiroのレビュー・感想・評価

父子鷹(1956年製作の映画)
3.4
どうにもならないくらい真っ直ぐな男。
出世に響き、妻やまかないまで苦労する。
両親や兄貴も苦労をする。

一族には、必ず厄介者というのが一人はいるものだ。

今の世にも呑む、打つ、買うをやらなくても迷惑な人間はいる。

映画のラスト、この一族は報われる。
正しいが間違っている男をのびのび好演する市川右太衛門さん。正に適役だ。
しかし、泣ける結末だなあ☺️👍

本作品では、志村喬さんはもとより、薄田研二さん、月形龍之介さん、原健策さんは本領発揮。見事な芝居を魅せてくれる。市川右太衛門さんを喰っている!

勝海舟の父小吉の悲運の一生を描いた読売新聞連載の子母沢寛の同名原作を「たぬき」の依田義賢が脚色、「剣豪二刀流」のコンビ松田定次と川崎新太郎が、それぞれ監督、撮影した文芸篇。

ストーリー
分限者男谷家から勝家の養子に入った小吉は、師匠の団野真帆斉も舌を捲くほどの剣の腕と、曲がったことが大嫌いな江戸っ子肌の持ち主だ。家名と栄達を願う家族の要望で、支配・石川右近の屋敷へ御機嫌奉仕に出かけたが、石川に男谷家の財産の無心を頼まれるもこれをはねつける。賄賂政治は世の習いと実兄・彦四郎は、自分の任地である信州に小吉を同行させ、性根を叩き直そうと試みるが、この地で権力を笠に無法を働く桜井甚左衛門を小吉に召し捕らせ、彦四郎は再び江戸に帰ることになった。丁度その頃、あの石川が卒中で倒れ、支配は大久保上野介に代わった。彼は彦四郎と親交もあり、小吉のお番入りが決定。許婚のお信との祝言も果たして順風満帆かに見えたが、お番入り披露の宴席で同役の執拗な嫌がらせに怒り、その一人を殺してしまった。曲がったことはしていないと自負する小吉だったが、身を持すことを忘れたことを座敷牢で反省するのだった。その頃、お信は小吉との一子・麟太郎を生んだ。小吉は麟太郎に一切の希望を託す。それから十年。小吉は貧乏に耐えながら麟太郎を必死で育てた。その甲斐あって、麟太郎は一代の出世を果たす。将軍若様のお相手役に推挙されたのだ…
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