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彼女たちの舞台のo219028tのレビュー・感想・評価

彼女たちの舞台(1988年製作の映画)
4.4
虚構と虚構とが演じてみせる不断の戯れから、虚構の持続を乱すというのが、リヴェットの映画的戦略である。
この乱れをわたしたちは現実と呼んでいるに過ぎず、この作品もまた一遍の虚構にほかならない。
彼は虚構が視界から一掃されてしまうかのような「本当らしさ」へと到達するために、倒錯的に虚構と戯れてみせるのだ。
この作品では「演技」を演技することで、はじめから露呈されていたものが、そのあからさまな露呈ぶりを重層化してゆくという過程をたどっていく。この重層化の結果、演技と演技の隙間から「本当らしさ」を匂いたつ。そして見る者を虚構と現実の彷徨へと駆り立てる。
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