「すべて」とは、始まりから終わりまで。
特定の音楽って絶対に、誰かにとっての宗教で、礎で、正義であって。
リリィ・シュシュもまたそういった存在であった。
リリィ・シュシュが生まれ、結末を迎えるまでのすべてを、残酷に、あるがままに切り取る。
ノベルスゲームをプレイしているような、独特な鑑賞体験。小説的な映画。
以下、ネタバレを含みます。
とても淡々と、つらつらとリリィ・シュシュの内面か、あるいは外堀を映す。
彼女の音楽は、一つの宗教として、彼らに再び母体を与え、護る役割を担った。
星野は信者の聖地を築き、蓮見はその聖地を終わらせた。
青リンゴの場面、哀しいけど、辛いけど救われた?と思ったのも束の間、星野は蓮見に気付かない。
そして、事件は起きる。
青リンゴに刺さるナイフが印象的。
彼らは羊水を泳ぐことで、生きながらえていたのだが、母体の摩擦によって、生と死を考えるようになる。
やりきれないな、、