Koshii

リリイ・シュシュのすべてのKoshiiのレビュー・感想・評価

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
3.6

「すべて」とは、始まりから終わりまで。

特定の音楽って絶対に、誰かにとっての宗教で、礎で、正義であって。

リリィ・シュシュもまたそういった存在であった。

リリィ・シュシュが生まれ、結末を迎えるまでのすべてを、残酷に、あるがままに切り取る。

ノベルスゲームをプレイしているような、独特な鑑賞体験。小説的な映画。

以下、ネタバレを含みます。










とても淡々と、つらつらとリリィ・シュシュの内面か、あるいは外堀を映す。

彼女の音楽は、一つの宗教として、彼らに再び母体を与え、護る役割を担った。

星野は信者の聖地を築き、蓮見はその聖地を終わらせた。

青リンゴの場面、哀しいけど、辛いけど救われた?と思ったのも束の間、星野は蓮見に気付かない。

そして、事件は起きる。

青リンゴに刺さるナイフが印象的。

彼らは羊水を泳ぐことで、生きながらえていたのだが、母体の摩擦によって、生と死を考えるようになる。

やりきれないな、、
Koshii

Koshii