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リリイ・シュシュのすべてのKEKEKEのレビュー・感想・評価

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
4.0
- すごい、本当に努力しないと最後まで観れないレベルの不快感
- 熱狂的な支持者がいるのも頷ける陶酔的な映像

- 登場人物を自分の少年時代に重ねることはできないし、正直この頃の空気感も経験していないのでわからない
- でも「学校」という概念自体には日本人全員の集合記憶が蓄積していて、特段いじめって多分殆どの日本人が目撃or経験したことがある共通の記憶だから、たとえフィクションだとしてもその映像を流し込まれることに強烈な拒否感を感じてしまうんだと思う
- 実際に存在するものから目を背けたくないけど、世代も生活のベースも違う場所で起きているこの問題に直接タッチする手段がごく限られているので、鑑賞中身動きが取れない状態でずっとビンタされているみたいな感覚になってしまった

- かつての景色がここまで灰色ではなかったとしても、私を含めた多数の人間が、思春期に格闘させられていた目に見えない何かの記憶を想起したんじゃないだろうか
- この人を狂わせる同調圧力とかいう邪悪なプレッシャーは、日本人あるいは人間の集団的無意識みたいなところから発生していて、学校のシステムが少し変わったくらいで解決できる問題ではないことを私たちは身をもって知っている

- ましてや人生をスタートしたばかりの未成年が、見えない何かを前提に社会が動いていることを理解するのには時間がかかるし、彼らが大人のサポートを必要としていることは言うまでもない
- 一番良いのはこの映画が当事者に観られること、それによって1人でも多くの人間が自分で命を落とす以外の選択肢を見つけられることだろう
- もしかすると公開当時は、少年の凶悪犯罪に対する世論が加熱してきている時期で、そのカウンターとして、当事者とその周囲の精神的なディテールを掘り下げる役割を担っていた作品なのかもしれない

- この作品のWikipedia、とんでもない熱量のあらすじと登場人物紹介が書き込まれてるのになんかほっこりしたんだけど、知りたかった時代・制作背景についてはほとんど情報がなかったので優しい人に追記しておいてほしいと思った
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