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リリイ・シュシュのすべてのiyのレビュー・感想・評価

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
4.7
男の人だと、男の人が生み出す特別な作品だと思った。女性である私では感じ得ない異なる感覚にストーリーの底がついている。それがリアルでとても良かった。
そして、彼らが生きるソコはなんと狭い世界だろう。大人になっても変わらず感じることもあるけど、学生の時のソレは最も別物。誰もそこから逃れられない。キャラクターそれぞれがそんな葛藤に苦しめられているなかで、全員の心臓を担うリリィシュシュの扱いがいい。彼女は同じ世界で息をしているわけでも、どんな歌を歌うのかすら私たちには分かり得ないが、みんなが魅了されその存在がミューズに。それ故ファンである事すらも誇らしい物と変わる。誰にでも、きっとあったのではないだろうか。自分だけの、エーテル。生きていて良い人だと、特別な人間だと感じせてくれる場所。そんな頃を、今を想うと胸がいっぱいになった。
とても苦しくも美しい作品だった。
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