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リリイ・シュシュのすべてのEnuのレビュー・感想・評価

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
4.1
岩井俊二監督といえば、本作も代表作の一つで、映像美にやはり惹き込まれる。
重過ぎるストーリーかつ、ほとんどの人に馴染みのない環境を描いているようで、その恐怖はいつもの日常と隣合わせである事を教えてくれる。中学生って何にでもなれると思うから。そういう意味ではホラー。
それはさておき、イッチーの若かりし頃はあんなに美形だったんですね。
もうちょっと後で私はイッチーを知ったので、あんな顔をする頃の彼を知らなかったことに少し後悔。
彼の従順さが制服のシャツを更に白くする程で、少し広くなった歩幅、大人になろうとする声質、大人と子どもの狭間で少し自信をなくした佇まい。彼らの秘めた輝きは、この時代に色を増していくと思うと、観て良かった。
岩井監督がそんなことも考えて彼らをメインに映画を撮ったのかは分からないけど、そういう貴重な時代が色濃く描かれる作品は好きなので、胸は痛むストーリーながらも別の視点から得る感動も多い映画だった。
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