塔の上のカバンツェル

ダンケルクの塔の上のカバンツェルのレビュー・感想・評価

ダンケルク(1964年製作の映画)
3.6
4K Blu-ray版がAmazonで出たので買いました〜

グデーリアンの装甲軍に完全に包囲され、絶え間なくルフトヴァッフェの空襲を受ける仏英軍。
若きベルモンド演じる仏軍兵士が包囲下で出会う人々との群像劇的映画。

抑えられてはいるものの、フランスらしく場違いなエロティズムを添えた人間の醜態とひたすら砲撃され、淡々と人が死んでいく中で行われる事務作業や軍隊組織のルーティンワーク…異常な状況なのにどこか拍子抜けするくらい緊張感のない描写が多い箱庭的包囲映画でもあります。

ただ、この時代の御多分に洩れずエキストラの物量と火薬量は申し分なく、風景と化した数万の兵士たちの中にチラホラと見えるズアーブ兵や、英領インド軍兵士など、植民地軍兵士マニアのツボをさり気なくついてくる秀作!

ノーランの『ダンケルク』では、ほとんど組織としての仏軍の出番はなかったですが、今作では英軍も一定以上の尺を割かれるなど公平な作りとも言えます。

ノーランの「ダンケルク」
ジョーライトの「つぐない」
そして今作を合わせてダンケルク御三家と言いいたい
(正確には今作の舞台はダンケルク周辺部らしいとのことだけど)