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犯人に告ぐのsingerのレビュー・感想・評価

犯人に告ぐ(2007年製作の映画)
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全編に緊張感が溢れていて、目の離せない良作ミステリーでした。

冒頭から張りつめた緊張の糸が切れることなく、過去から現在へ。
そして、ストーリーをグッと引き締めて行く。
その構成力がとても良かったです。

衝撃の結末や、予想外の展開というものが無くても、物語の語り口と、そこからの進行次第で、
十分に観る者を釘付けにするミステリーは作れるものだということを証明するような作品でした。

その緊張感を終始保ち続けているのが実力派揃いのキャスト陣の見事な演技。
豊川悦司は主演として、特に真に迫る演技を見せてくれました。
テレビカメラを通じて、犯人に呼びかけるシーンはとても見応えがありましたね。

さらに、脇でギラリと光っていたのが小澤征悦。
この人の曲者振りがストーリーの妙をさらに引き出していて、凄く印象に残りました。
リップクリームの演出は、本人のアイデアなんでしょうか・・・?
細かい表情の作り方とか、仕草ひとつに、さりげない演技力が注がれていて、いい演技をする役者だな、と感心しましたね。

作品を観ている最中から、やたら思い出したのが「マークスの山」。
何となく雰囲気が似ているような気がしていたのですが、その監督である崔洋一が今作に出演しているので、
今作を監督した瀧本智行が助言を受けたりしたのかな、と思ったりもしました。

零井脩介の原作映画は「クローズド・ノート」に続く2作目ですが、まったく毛並みの違う作品でしたね。
個人的にはストーリー性では、「犯人に告ぐ」の方が良かったと思いました。

全編に渡って、明るい描写は殆ど無くて、
薄暗い曇り空のようなトーンで包まれた世界がずっと続いている。
そんな徹底して「明」を寄せ付けないように構築された世界観も見事でした。
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🎦こちらは、2008年6月3日にブログに掲載したレビューです。
凄く見応えのあるミステリーで、いつか観返そうと思いつつ、いつの間にか何年も経ってしまっていたという、そんな作品です。
豊川悦司のセリフ、「震えて眠れ」がとても印象に残ってますね。
雫井脩介の原作物は、これまで全作観てきてるなぁ。
「犯人に告ぐ」、「クローズド・ノート」、「検察側の罪人」。
今、公開中の「望み」も面白そうなんで、こちらも観てみたいですね。
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