千年女優

犯人に告ぐの千年女優のレビュー・感想・評価

犯人に告ぐ(2007年製作の映画)
3.0
ノンキャリからの叩き上げで、子供ができた事もあって手柄を求めて小児誘拐事件の指揮を執るも救出に失敗し、記者会見でバッシングを受ける巻島史彦。六年後、連続小児殺害事件で「バッドマン」を名乗る犯人とTVを通して対峙する事となった彼が、警察内の権力抗争に足を引っ張られながらも解決を目指す様を描いたサスペンス映画です。

日本のミステリランキングで多くの作品をノミネートさせた人気推理作家で後には『検察側の罪人』や『望み』が映画化される雫井脩介のベストセラー小説を、監督に本作が二本目の長編映画監督となる瀧本智行を据えて映画化した作品で、主演の豊川悦司を始めとして重厚感のあるキャストがWOWOW FILMSの記念すべき処女作を飾りました。

同じ「劇場型犯罪」を描く作品でも『模倣犯』『予告犯』らとは異なり犯罪者ではなく刑事が主役の物語で、その設定を活かして世紀末から主流の「警察内権力抗争」をエッセンスとして盛り込みます。ただしその要素の物語への落とし込みはかなり低俗で出来は良くなく、トヨエツが熱演する本線のサスペンスを削いでしまっている一作です。
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