「雨の日はゴエモン蹴っ飛ばす!」
出崎演出はともかく、ストーリーにノれなかった。
物語を追っていく上での各キャラの"モチベーション"が不明瞭。
ヒロインである岡ひろみの自主性は薄く、ひたすら宗方コーチの贔屓によって話が推し進められていくが、終盤までその動機が明かされない。
だから、劇中でテニス連盟の人が言う「将来性などという漠然としたものではなく、もっとハッキリとしたものを我々に示していただきたいのです!」という言葉を、観客もずっと抱えながら見るハメになる。
そして、ラスト付近でようやく明かされるひろみを贔屓する理由には、「個人的な願望を一方的に投影して押し付けてるだけじゃん!」と突っ込まざる負えない。
本作の演出でいえば、戦争映画をバックにマキがひろみにテニスを続けるよう説得するシーンが印象的だった。