マーガレット連載の少女漫画原作の劇場アニメーション。
漫画は読んでいたが、東京国際映画祭にて、アニメ・劇場版ともに初めての鑑賞。
びっくりするくらいの大傑作。
全部は見れていないけど出崎映画作品の中でダントツ1番のおもしろさだった。
本当にこれが88分なのか?
180分くらいの密度と充実感で、見終わったあとは疲労感と満足感でいっぱいだ。
今作はテレビアニメの26話に当たるストーリーを88分にまとめた構成になっている。
総集編ではなく全て新規で作成しているのが特徴だ。
出崎監督作の初期作品でもあるので、
ハーモニー、マルチスクリーンの画面転換、ボカシ、入射光・透過光、波ガラスなどの出崎演出と言われている手法のオンパレードである。
そして、監督が「アニメで映画作品を作り上げる」という明確な意思を持って作られた日本アニメの転換期になる作品でもある。
「俺達にしらゆき姫は作れない…」とパンフレットで語っているように、
ディズニーレベルのアニメーションを作る事はできないし、そもそもエースをねらえ!がアニメである必要もないが、自分たちが築き上げたアニメのイロハで「フィルム」を、「ドラマ」を作りたい…、
と意思表示をしたうえでの作品なのだ。
時間では数十分間だが、新人だった岡ひろみが訓練を重ねて最後にお蝶夫人に挑む試合は、漫画では泣かなかったシーンなのに劇場アニメではホロリとしてしまった。
ちゃんとドラマであり、最高の映画だった。