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エースをねらえ! 劇場版のkazu1961のレビュー・感想・評価

エースをねらえ! 劇場版(1979年製作の映画)
4.5
▪️Title : 「劇場版エースをねらえ!(1979)」
Original Title :※※※
▪️Release Date:1979/09/08
▪️Production Country: 日本
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2020-171 再鑑賞
▪️My Review
中学生の頃、ほんとにコミックにテレビアニメにめちゃくちゃハマってました。コミック文庫全10巻、TVアニメDVDセットもまだ保有しています。元祖テニスアニメにして最高傑作です!!
作中にも何度も引用された、福田雅之助(1897年 - 1974年)による有名な"この一球、絶対無二の一球なり、されば心身をあげて一打すべし"という「庭球訓」が有名になり、私の人生訓のひとつにもなっています。
コーチの宗方仁が白血病を患ってることもあり、“今、生きてるこの瞬間を精一杯生き抜くんだ”というテーマが本作全般に染み渡っています。全てのシーンが一球入魂、どのカットにも強烈な演出が導入されており、そんなテーマ性を含めて大好きな作品です。
『エースをねらえ!』は、山本鈴美香のスポーツ漫画で、1973年から1975年および1978年から1980年まで『週刊マーガレット』に連載されたました。コミック化、テレビアニメ化を経て少年少女を中心にテニスブームを起こしたスポーツ根性(スポ根)漫画として知られています。
この劇場版の本作は、よくあるTVアニメを再構築したものではなく、完全に新規の作品として制作されました。『旧エースをねらえ』の主要スタッフだった出﨑統、杉野昭夫といったスタッフが再集結し、美術監督の小林七郎、撮影監督の高橋宏固といった、後に「出﨑カルテット」とも呼ばれる、アニメ史に残る卓越したクリエイター達によって、実現した映画化となります。
それによって原作のテーマ性をきっちり伝えることに成功しながら、出崎カルテット流の独特な世界観と作画が本作をより煌びやかかつシリアスな雰囲気に仕立てています。
止め絵、画面分割、透過光といった俗に言う「出﨑演出」が惜しみなく盛り込まれているだけではありません。魅力的なキャラクターを端正に表現した作画、丹念に描き込まれた美術など後のアニメーションにも多大な影響を与えました。
物語は。。。
岡ひろみと親友・愛川マキは、県立西高の1年生。お蝶夫人こと竜崎麗華に憧れてテニス部に入部しました。そんなときひろみの才能を見抜いた新任コーチ・宗方仁は、周囲の反対を押し切ってひろみを関東地区予選の選手に抜擢、猛練習を命じました。宗方の強引さに、ひろみにも辛くあたる竜崎や他の部員たち。傷心のひろみは退部しようとしますが、マキの友情や先輩・藤堂貴之の優しさ、宗方の熱い想いに支えられ、再びテニスの情熱を取り戻していきます。。。
音楽もテレビ版と違って、劇場版用の少年探偵団「まぶしい季節に」が用意され、劇中で岡ひろみが口ずさむ歌としても使われています。
魅力的なキャラクターが人気の秘訣の大きな要因でもあります。ほんと、当時は岡ひろみに憧れました。いつまでも高坂真琴の声を聴くと岡ひろみ、池田昌子の声を聴くと竜崎麗華、野沢那智の声を聴くと宗方仁を思い出します。
約40年前の古い作品だからこそ、色褪せない魅力や現代のアニメにはない価値を感じ取ることができる作品だと思います。

▪️Overview
昭和48年1月から週刊『マーガレット』に連載され、その秋にはテレビアニメ化された山本鈴美香の同名の人気漫画の映画化。脚本は「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」の藤川桂介、監督はアニメ界の巨匠出崎統、撮影は高橋宏固がそれぞれ担当。キャストは、高坂真琴、池田昌子、野沢那智、森功至、菅谷政子。
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