ブラウンソースハンバーグ師匠

クラムのブラウンソースハンバーグ師匠のレビュー・感想・評価

クラム(1994年製作の映画)
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ポリコレを意識しても、しなくても過敏に傾こうとするシーソーみたいな現代ということもあり、このドキュメンタリーは痛烈だった。
あらすじを読んだときは、ある種の挑発行為として露悪的な手法を用いて表現する作家なのかと思い、そういう文脈で鑑賞していたのだが、映画が進むにつれ、どうやらそういうわけでもないと暗雲が立ち込め始めてからは普通に笑ってしまった。
全裸の肉感ある女性が屹立している絵について女性が「この絵を見て、私は私の体に自信を持てた」と言っていて、
ボディーポジティブの観点で見たらそうなのかと思っていたら、
その後のインタビュイー達が「彼の作品は問題意識とかじゃなくて女性蔑視で差別主義者」とボロクソに言ってて笑った。
しかも先生本人も「女性の身体」とヤる漫画について「描きながらめっちゃ興奮した」と言ってのける始末。もう言い逃れできない。
ポルノ女優とおバカな構図で写真を撮りまくるクラム先生の満面の笑みが忘れられない。