ドナウ

眠る男のドナウのネタバレレビュー・内容・結末

眠る男(1996年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

様々な視点から生と死を描いたような作品。死んだように眠る男拓次、彼の周りには蝶の剥製や明けぬ夜のように壁に描かれた月と洗面器の星といった死の影が現れる。劇中、星が月の側に寄ると人が死ぬと語られ、空飛ぶ生き物は魂でありその剥製はやっぱり死だと思う。拓次の鼻から飛び立つ虫と庭のつむじ風、それは彼の魂だと懸命に引き戻そうとする。生と死の対比のように温泉と水車小屋が描かれ、能は死後の世界から現世に語りかける。相変わらず日本に対しては冷ややかな視線を送り、朝鮮と戦争もそれとなく盛り込んでいるように思う。拓次もアン・ソンギだし。神秘的で幻想的な自然がブンミおじさんの森や闇のあとの光、森の主のようなカモシカはナウシカのようでもあった。なんだかよくわからないけど自然、温泉、水車小屋、能。これらの場面の素晴らしさと言ったら…この映像を見ているだけで満足です。
ドナウ

ドナウ