いかえもん

誰かがあなたを愛してるのいかえもんのレビュー・感想・評価

誰かがあなたを愛してる(1987年製作の映画)
3.8
チョウ・ユンファの作品って実はあんまり観てなかったなぁ。男たちの挽歌とアンナと王様、グリーンデスティニーくらい。でも、この映画でチョウ・ユンファって役の幅広いなぁと思った。

で、お話は、アメリカにいる恋人のもとへ行くためにお金をためて留学を果たしたジェニファー。しかし、アメリカに着いてみれば、彼には新しい恋人が…。失意の中で彼女を助けてくれたのが、ギャンブルとお酒の好きな30過ぎの気のいい男シュンタウ。二人のほろ苦い友達以上恋人未満の関係を描いた物語。

ユンファがね、よいわ~。よい人なんだけど、ギャンブル好きでちょっとだダメなやつで、そのせいなのか恋愛にも臆病になってる。その感じがよく出てた。いい人なんだけど、30過ぎてふわふわ生きてる彼に、さらに異国の地で、飛び込んでいけない23歳のジェニファーの気持ちもわかる。なかなか思いを告げられないユンファの気持ちもわかる。どこまでもすれ違う二人の気持ちが賢者の贈り物に表れてた。
それだけに最後はとてもよかったな。

舞台がニューヨークなので、「オータム・イン・ニューヨーク」とか「恋人たちの予感」みたいにおしゃれな雰囲気かなーと思いきや、そういう場面もあるにはあるんだけど、全体的に街の雰囲気はすさんだ感じだった。そこも、異国の地での二人の孤独感みたいなのがよく表れてて、広い世界の中で理解し合えるのはお互いだけって雰囲気があって逆によかったな。

個人的小ネタとしては、映画の結構最初の方で、23歳なんておばさんよという、日本おばさん連盟を敵に回すような発言がジェニファーから飛び出し、23歳ががおばさんだったら、私は化石を通り越して化石燃料ですやん!とツッコミました。

それと、30過ぎてもやんちゃなユンファ、ジェニファーが初恋ってマジか?!それはさすがにジェニファーの妄想では…と思いましたけども。
さらに、ジェニファーの元カレがなかなかにうっとおしくて、もう、そこで出てくんなよ~でした。なかなかかっこいい俳優さんでしたけどね。
ジェニファー役の女優さんも、ほのかに山口智子似の可愛らしい方でした。