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メイトワン-1920
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目次

『メイトワン-1920』に投稿された感想・評価

菩薩

菩薩の感想・評価

4.3
100年経ってもなんも状況は変わらんよねぇ、辞めたきゃやめろ、お前の代わりは他に幾らでもいるの一点張り。儲ける事しか考えてない会社側と、ただただ生活を守りたい労働者側。「働く者達」の団結も一枚岩とは行かずに、先走る者も出れば裏切り者も出て、起こるべくして悲劇は起き、事態は最悪の衝突に発展していく。あくまで中立的立場を守る警察官、勝手な立退要求を「戻せ」の凄みだけで解決するとこめちゃくちゃカッコいいし、銃撃戦の二丁拳銃も凄いが、死体に弾撃ち込むババアを止また後にまさか自分がその死体と同じ運命辿るとは思わんかったろうに。シーツ越しにショットガンぶっ放す奥さん、あの構え方に『ミークス・カットオフ』のミシェル・ウィリアムズを思い出すし、貧しくとも流通から何から自分達で賄おうとする姿勢にチリのアジェンデの挫折を思い出す。お説教で皆の衆に裏切りが発生していることを悟らせる坊ちゃん賢すぎる。嫌な話のいい映画、新しい世界は未だ来ず。
RIO

RIOの感想・評価

4.0
1920年 小さな炭鉱町
ウエストヴァージニア

悪魔ベルゼブブに睨まれた
大虐殺の事件
低賃金で働く移民や黒人達
経営側と対抗しようとする労働者

助けを受けるごとに
生活を失っていく

男には果たすべき義務がある
女もショットガンでぶっ飛ばしてます

神よ
近づく嵐から守りたまえ
弱く罪深き我々を
あなたの腕で

メイトワンという
小さな美しい谷で起きた実話
なんか凄くカッコ良い

一切の理屈抜き
なるべく多くの人に観て欲しい重要作。

ジョン・セイルズ監督は『セコーカス・セブン』(1980年)をはじめとして80年代にいい作品を連発しました。『ブラザー・フロム・アナザー・プラネット』(1984年)や『エイトメン・アウト』(1989年)とか。

しかし、ジョン・セイルズ監督作品の中でひときわ輝いているのが本作『メイトワン 1920』です。今回はレストアされたクライテリオン版のBDです。この作品がメディアでもストリーミングでも現時点で日本で観れないなんて、本当にもったいない!!

舞台は1920年の炭鉱の町メイトワンです。本作で起きた事件は「メイトワンの戦い(Battle of Matewan)」として知られる実際にあった労働者と炭鉱会社が雇った私立警察との武力衝突事件です。炭鉱会社は炭鉱で働く人たちを搾取して、従わない労働者は様々な方法で排除していました。最終的には武装した私立警察隊を送り出すんだからすごいです。実話ですからね、これ。

炭鉱で働く人たちもたくさんの人種がいます。アパラチアの白人、イタリア移民、そして黒人。1920年ですから公民権運動のずっと前のはなしです。しかし、企業と戦うには労働者が一致団結しないといけない。当然ながら難しいんです。しかも、中には裏切り者も出てくるし、抜け駆けするものもいる。さあ、どうする?

最初に観たのは学生の頃です。劇場公開されたのを観に行きました。基本的なフォーマットは西部劇です。その時もカッコいい!と思いましたが、いま改めて観てもやっぱりカッコいい。特にシェリフ役のデヴィッド・ストラザーン。ジョン・セイルズ監督作品の常連です。最後の戦いのシーンまで緊張感が途切れません。ダレるところがない。そして音楽が素晴らしい。全編に流れるのはアパラチアン音楽。カントリーのルーツです。このアイルランドをルーツとする白人のアパラチアン音楽にイタリア人のフィドルと黒人のハープが加わる場面が本当にいい。非常に効果的な音楽の使い方です。

本作が公開された1987年は所得格差が広がりはじめたレーガン政権後期です。そして、現在まで格差は広がり続けています。格差が再び広がっている今だからこそ、この作品は意味があると思うんですよね。

1920年代はアメリカでは貧富の差が今以上に大きかった時代です。そして、その格差を少なくするニューディール政策(1933年)がはじまる13年前の話です。財閥が生まれた19世紀後半の「金ぴかの時代(Gilded Age)」をへて1920年代は「狂騒の20年代(Roaring Twenties)」を迎えて経済が成長していました。しかし、経済が成長しても豊かになるのは富裕層ばかり。低所得者層は経済成長を享受できませんでした。なんか、いまみたいじゃありません?ちなみに今は「新しい金ぴか時代(New Gilded Age)」といわれています。ロックフェラーのような財閥ではなく、GoogleやAmazonのような巨大企業がその主役です。

1980年のレーガン政権から再び格差が広がったのは新自由主義という規制緩和の強化と累進課税を弱めた結果です。税金を低くして政府の役割を小さくして、プライベート企業の役割を大きくすべきというのが新自由主義です。本作で炭鉱会社は私立警察のボールドウィン・フェルトを採用して労働者を銃で脅してストライキをやめさせようとします。結果的に労働者を殺すことも辞さずに。そこまで私企業に権力を与えていいのですかねと?

本作で登場するような人たちが労働者の権利を求め続けたおかげでニューディールでワグナー法(1935年)が制定されて労働者の権利が拡大します。そして、本作で悪役の私立警察ボールドウィン・フェルトは1937年に事業を閉めます。しかし、このワグナー法もタフト=ハートリー法(1947年)などで徐々に無力化されていき、現在に至ります。

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