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アラビアのロレンスのこーたのレビュー・感想・評価

アラビアのロレンス(1962年製作の映画)
4.1
美しく雄大な砂漠で独り戦い抜いた男の実話。
ロレンスは砂漠でちっぽけなイギリス人としてはじまり、現地人の気持ち・目線になることでアラブ人の心をどんどん掴んでいった。考古学者ならではの人選はある意味当たっていた。ロレンスは無謀ともいえる作戦に挑戦し、非業の運命は信じない。信じるは己の運命のみ。あのシーンは名言だったなあ。
前半はそんな調子で、ロレンスが砂漠もアラブ人もものともせずに突き進んでいき、英雄として持て囃される喜劇が描かれる。しかし後半はイギリス国家の思惑に翻弄され、一軍人として駒として利用され心が壊れていく悲劇的な展開に。そんな状況でもヒーローである彼はアラブ人にダマスカスを解放せんと闘うが、ついには己の限界も感じ帰国していく。あまりの呆気なさに、えっ、これで終わり!?となる。
この尺なのに、思わず冒頭のシーンを見返してしまう仕掛けもさすが。一周観終わった後に死にゆくロレンスの表情を観ると、何かの鬱憤を晴らす様に飛ばしているのかと印象が全然違った。終盤に差し込まれた握手を求めてきた軍人もちゃっかりインタビューされてて笑う。
この時代、砂漠の現地撮影過酷だったろうなあ。当時こんなに演技ができるアラビア人がいたのもある意味すごい。
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