タカナリ

解散式のタカナリのレビュー・感想・評価

解散式(1967年製作の映画)
3.6
解散して堅気になり、一般社会に馴染もうと奮闘する元暴力団員の姿が描かれた作品。

主人公は刑期を終えた暴力団幹部の沢木。
出所したら街は変わり、組は無くなり、それぞれ別の仕事をしていたりと、全てが変わっていました。
周りに合わせて変わろうと考えた沢木でしたが、今までの生き方や性分は変えられないことに気付きます。

沢木は早くそれに気付きましたが、他の連中は「ちゃんとした仕事して生きていく」と言う割にはやってることヤクザです。見た目は良くても、裏では人を騙し、脅し、殺しています。
やはり一度道を外れてしまった人は、そこから離れる事はどうしても出来ないんでしょうね。
「なんでヤクザになってしまったのか」を忘れてはいけません。

気になったのは、全体的にキャラクターの頭が悪い事。
3人のチンピラは単純にバカだし、人を殺すにしても家を壊すにしても誰がやったか丸分かりですし、暗殺を力のない下っ端に任せて満足してるし。
「そりゃあそうなるだろ」と感じる事が連続していたので、呆れてしまいました。

沢木の最後の決断はキツかったですね。
性格を考えたら納得は出来ますが、幸せになる道は無かったものか。
切なかったです。

息子よ。頑張れよ。