のんchan

バルスーズののんchanのレビュー・感想・評価

バルスーズ(1973年製作の映画)
4.7
ずっとこれが観たかった🥺
あまりにもツボにハマりまくったので高スコアです(気分は💯)
配信はおろかレンタルも置いてる店がなく取り寄せました。

荒唐無稽でインモラルな青春ムービー。50年前の作品とは思えない、新鮮さが眩しく、瞬発力とエネルギーのある貴重品🌟

ベルトラン・ブリエ監督は当時34歳。
この作品でジェラール・ドパルデュー(25歳)、パトリック・ドヴェール(26歳)、ミュウ=ミュウ(23歳)が人気を確実にした。
もっと広まって然りなのに、観る手立てが少なくて歯痒い。

そこにジャンヌ・モロー(45歳)がまだ40代なのに老いと汚れ役に徹している。過去の役柄から脱する意気込みを強く感じる。2人相手に悩殺ラブシーンもありかなりの見どころがある。
『禁じられた遊び 』の子役だったブリジット・フォッセー(27歳)が乳児を持つ美しい妻役で胸を露わにします。それをドヴェールに吸われます。
そして、デビュー直後のイザベル・ユペール(19歳)のなんという初々しさ。

このキャストを観るだけで十分じゃないですか?
でも内容も堪らない、心に残る名作じゃなくて、迷作だけどズッキューンと刺さったわ💘


ジャン=クロード(ドパルデュー)とピエロ(ドヴェール)は職にも就かず、コソ泥とナンパに明け暮れている不良青年。
ある日、ドライブしたくなり美容室オーナーの車を盗み、夜こっそり返したところ、待ち構えていたオーナーにピエロが睾丸を撃たれてしまう🫢(タイトルはフランス語のスラングで睾丸を意味する)
オーナーの情婦マリー=アンジュ(ミュウ=ミュウ)も一緒に逃亡することに。
2人は復讐するつもりでとりあえずは逃げ、ピエロは何とか快復する。その後、夜中に美容室へ忍び込み大金を盗む。
マリー=アンジュは2人に弄ばれるが、彼らがいくらテクニックを駆使して頑張っても平然とした表情。実は不感症だったのを知る。しかし、2人と日常打破の旅を楽しむことにする。
途中、刑務所から出て来たジャンヌ(モロー)の後をつける。ジャン=クロードはオバサン好き。ピエロは散々「ブス、ババア」とジャンヌの悪口を言うが、大人の女からSEXと人生を教えてもらう。
ジャンヌの長い獄中で生理が止まってしまった話はドキッとするけど、デリケートな女性の身体を知る良いキッカケ。SEXの後、この世に絶望していたジャンヌは自殺、その仕方がヤバイ🔫生理が来たかのよう🩸
車を何度も盗んで乗り換えるが、あるキャンプ中の一家の車に目を付ける。16歳の娘ジャクリーヌ(ユペール)は父親に反発もあり、3人と一緒について来る。ジャクリーヌは初体験を2人の男に儀式のように捧げ、なんと2人に感謝して笑顔で別れていく。
その後3人は自由で果てしない旅を続けられるのか?


途中までずっと悪行を見せられるが、モローが出て来て作品がグッと締まる。訳アリ中年女性との出会いで変化がある青年2人。
特にメッセージ性もなく、刹那的ロードムービーだけど、観終わった後の何とも言えない甘酸っぱさと、映像がとにかく美しいのでやはり色々と心に残ります💟

ドパルデュー、ミュウ=ミュウ、ユペールはこんな若い時があったんだ?という宝物。
そして35歳で早逝したパトリック・ドヴェールが存分に観れたことも私には感慨深かった🙏

映画好きならぜひ観て欲しい🥺
これは傑作だと信じます💫
のんchan

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