ミシンそば

バルスーズのミシンそばのレビュー・感想・評価

バルスーズ(1973年製作の映画)
2.9
今年鑑賞本数が300本になりました。
年間300本越え確定は、2020年以来で3年ぶりに映画を随分観たことになります。

さて、300本目には何か普通とは違う映画を観ようと、さっき郵便返却で返してきたばかりの取り寄せDVDを観ようとなって、「マイキー&ニッキー」か「バルスーズ」かで悩んだのですが、正直失敗でしたね。
評判は割りといいし、日本でも人気の高い作品らしいのだけれど、カルト映画は所詮はカルト映画でしかなかった、自分はそう受け止めました。
こういう映画がすごく受け入れられてた時代もあったんだなってちょっとだけ、自分が生まれてもいない昔を懐かしむ。

行く先々で盗みや強姦を繰り返す、救いようのない二人を演じるのは若き日のドパルデュー(めちゃくちゃシュッとしてて今の彼は本当に何なんだってなる)と、キャリア絶頂期で自殺したドヴェール。
そいつらの言い分がとにかく手前勝手で、カスみたいなことしか吐き出さない。
そのくせ殺人にだけは及び腰で覚悟も足らない半端者さを感じてしまうからずーっと嫌いだった(それでもそう言うクズを好きにさせるような映画もあるにはある。でもこの映画では自分はそうはならなかった)。

それはそれとしてキャストは70年代と言うことを置いといても超豪華。
ブリジット・フォッセーは乳首を弄られてバチクソに感じまくるし、ジャンヌ・モローは3Pに興じるし(彼女がその後絶望するまでの流れはかったるくてちょっと寝落ちしてしまったが)、今やドパルデューより確実に格上のイザベル・ユペールはデビュー直後で処女のガキンチョ役。
今じゃコンプライアンスも含めて実現不可能だろう。
だから振り切った感だけは伝わる。

それはそれとして、ミウ=ミウが初めてイった時に水門から水ダダ漏れになるシーンは直接的過ぎて隠喩になってなくて笑った。