Mikiyoshi1986

バルスーズのMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

バルスーズ(1973年製作の映画)
4.2
明日12月27日はフランスが生んだ名優ジェラール・ドパルデューの69歳のお誕生日です。
おめでとう!

当時まだ25歳の新人俳優だったドパルデューが、一躍スターダムへと駆け上がるきっかけになった青春オフビートの傑作『バルスーズ』

フランス発祥のムーヴメント"ヌーヴェルヴァーグ"にもいよいよ翳りが見えた矢先、
ドパルデュー&パトリック・ドヴェールのごろつきコンビが本能の赴くままに奔走しまくるロードムービーが突如投下され、本国はおろか世界中でも大ヒットを記録。

その若さ故(?)の無軌道ぶり・不道徳ぶりを物ともせず、痴情に走り、窃盗に走り、婦人に悪戯し、とにかくセックスし、
盗んだ車で走り出し、盗んだバイクで走り出し、盗んだ自転車で走り出し、またまた盗んだ車で走り出し、列車に飛び乗り、己の足でも全速力疾走!

彼らは一体何を求め、そしてどこに行き着くのか!?
そんな答え無き答えなんざ金玉の中にグイッと押し込んで、ただ思うがままに突き進む無頼エネルギー!

故ドヴェールの伴侶でもあったミウ=ミウは見事な脱ぎっぷりを披露して不感症のサセ子を印象的に演じ、
うら若きイザベル・ユペール嬢が16歳のバージン卒業少女役をこなし、
『禁じられた遊び』の大女優ブリジット・フォッセーは車両内で二人にこねくり回され、
同じく大女優ジャンヌ・モロー様も麗しきオバハンの貫禄と圧巻の艶やかさで3Pをやってのける。

くだらない話の羅列だけで構成された本作はまさしくパルプフィクション(同じく「くだらない話」の意)のずっと先を行ってたし、
同時期にリヴェットが送り出した『セリーヌとジュリーは舟でゆく』の女子版バディものとか、
後年のイギリスでは『ウィズネイルと僕』とかドイツでは『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』とか素晴らしきボングラ映画が誕生したけど、
やっぱり『バルスーズ』には唯一無二のオリジナリティというか、くだらなさの中にとんでもない愛しさと魅力が詰まっているのです。
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