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狂えるメサイアのRIOのレビュー・感想・評価

狂えるメサイア(1972年製作の映画)
3.7
「アルタード・ステーツ」みたいな狂気の表現はなかったけどアンリがとにかくよく喋るので飽きなかった
貧しいなかで娼婦をモデルにデッサンする
墓場から盗んだ石で彫刻されたトルソー

彼女と誓いを立てようと交換するものを考える
お互いに名前を贈り合う永遠に続くものとして

アンリ・ゴーディエ=ブルゼスカ
モダニズム時代のイギリス彫刻界における抽象彫刻の先駆者的存在
とてもプリミティブでありながらもいつでもミケランジェロをめちゃくちゃに言ってました
そういう所も面白いですね

坂道を登り続ける人生だと言うアンリの有りのままの会話がとても刺激的だった

ケン・ラッセルは彼の残っている手紙から撮ったそうですが逞しい創造性があるのと若くして亡くなった彫刻家に対する尊敬すら感じるラストでした

スケッチも素晴らしい
「魚を飲み込む鳥」の足から工業的モチーフに流れるライン
大きな王冠を被った女性像のドレープも美しいし「鹿」が可愛い
彫刻作品もいくつか見れます
結構貴重映像かもしれない

イギリスの美術史ではアンリの活動が詩人エズラ・パウンド
ジェームス・ジョイス等とモダニズム誕生における重要な役割をしたとされてるみたい
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