ハレンチ学園在学生

仮面/ペルソナのハレンチ学園在学生のレビュー・感想・評価

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)
5.0
アートフィルムの極北。ウディ・アレン「サン・セバスチャンへ、ようこそ」で引用されていたので5年ぶりに再見することに。精神分析学の格好の対象になりそうな内容だが、詩学でも演劇でもない映画というジャンルを、決定的に芸術に押し上げたことに間違いはあるまい。現実に生起しているドラマに加えて、アルマとエリザベットの2人の夢想と無意識の層が合わせ鏡のように錯綜する。その上におそらくエリザベットの息子と思われる少年が映し出される冒頭とラストの作劇的なシーンがあり、実際のところ何が何だかわからない。それゆえに無数の解釈があり得る。海辺の移動シーンの見事さ、白と黒の印影の豊かさ、そしてビビ・アンデショーンとリブ・ウルマンの2人の女優が徐々に人格が融解して双子のように見えてしまう演技も素晴らしい。