新婚生活を始めることになった若い夫婦（秋吉久美子＆高岡健二）が、多種多様な隣人たちと交流しながら、居住先を転々としていく。秋吉久美子をスターダムに押し上げた、日活謹製の青春映画。主題歌はかぐや姫「赤ちょうちん」。
「都会の喧騒」からの脱却を求める新婚カップルが「引越しする→その土地の人間関係に悩まされる→引越しする」を何度も繰り返しながら、懸命に夫婦生活を続けていく。癖のある人物が現れては消えるため、物語のテンポは極めて良好。
秋吉久美子の健気で脆弱な人間性に魅力が集中している。後半部、精神崩壊が始まるくだりは、厭世と退廃を痛烈に突き付けられて、何ともやるせない気分にさせられる（「自称霊感の強い女」を目の当たりにしているような、苛立ちが無いわけではないが）。
ロマンポルノの真っ最中に製作された一般映画のため、ポルノ女優の山科ゆりが端役で出演している。小松方正や樹木希林の、ほんの短時間の特別出演も見どころ満点。
