Charlie

チキン・リトルのCharlieのレビュー・感想・評価

チキン・リトル(2005年製作の映画)
2.3
チキンリトルの声がいろんな意味ですごいです。まったく可愛くない普通のおじさんっぽくて見た目に合わない声だと思って観ていましたが、観ているうちにクセになって似合う気がしてきます。

主人公のチキンリトルは父親にまったく信じてもらえないという辛い境遇にあります。彼自身はとても前向きなのに、その彼のやる気や希望をわざわざ削ぐようなことを父親が言います。こういう父親っていますよ。子供の可能性を潰す親。
この父親のキャラクター設定が極端ではなくて、「あまり自分に期待しすぎるな」という言い方をして、表面的にはさまざまなところで愛情はあるような感じに見せているところがまた、現実にいそうな父親像という感じ。恐らく製作者には父親を悪く見せたくない意図があるのでしょうけど、息子の可能性を潰している点に変わりはなく、非常に深刻な現実世界にある問題を描いていると言えます。世の親はこれを観て反省してください。
ちなみに話の終盤に、ようやく息子の言うことを信じる父親。現実なら時すでに遅しですが、アニメなので間に合います。

主人公は嘘はついていないのに、諸事情で狼少年状態になってしまっており、街の人からも厄介な少年のように扱われています。
その上、父親にも信じてもらえず…。

しかし、この主人公の面白いところは、そのような環境にありながら「チャンスさえあれば」「今日はいいことがある」と前向きな発言がとても多いことです。「彼にはいつかいいことが起きるに違いない」と観ていて感じられるキャラクター設定になっているところが、ちょっと他の作品の似たようなジレンマを抱える主人公とは違う点です。

ですが、やはり物語の展開として宇宙人の登場とか突拍子もないものが出てくるあたり、「ディズニーのこの手の映画って、こういう展開が好きだなぁ」と少しマンネリを感じます。

総じてまあまあの作品でした。
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